目次
- 序文
- オールドゲームにおいてのアクションシューティングゲーム研究
- メタルスラッグ
序文
オールドゲームのようなグラフィック、昔のアーケードゲームのような規模感のゲームを制作したいと考えており、それならばオールドゲームの面白いところを研究しておく事は役に立つと考えたのでここに細かい事からなんでも書き記して行くことにした。
この研究ブログを書き始めたのは2024年7月19日だ。自分の為に書き始めたが誰かの役にも立てば良いと考える。ただ筆者の主観で研究するわけであるので、異論も発生するであろう。そのあたりはご容赦いただきたい。
ゲームを研究するにあたって一つのブログに複数ジャンルを書いていてはそのうち長くなりすぎると考えたので分けて書く事にし、このブログはアクションシューティングゲームに絞っている。そのうちに他のジャンルを研究することがあれば他のブログを用意しここにリンクを貼ることでアクセスのしやすさを実現しようと考える。
このブログは加筆していく形で更新されていくようにする。どこにいつ追記したかは記録しない形とする。
何故「オールドゲーム」という聞きなれない言葉を使ったか。カメラの世界では1960年辺りなどに製造されたレンズを「オールドレンズ」という言葉で共通認識として使われている。単純にその言葉の使い方を気に入っているので昔のドット絵と呼ばれているようなグラフィックの時代のゲームを「オールドゲーム」とここでは呼ぶことにした。「レトロゲーム」や「クラシックゲーム」などと呼ばれているが、どれも個人的にしっくり来る言葉ではない。レトロは昭和の文化の匂いが漂ったような言葉として認識されており、レトロゲームという概念にその要素は必要ない。クラシックはクラシック音楽やクラシックカーなどで使われるが、クラシックゲームにはそこまでの気品を感じるような言葉は似つかわしくなく、ゲームその物に気品は備わらないものだと考える。クラシックと呼ばれるものは時代的に格差が大きくお金持ちの娯楽であったのだろうと想像するが、黎明期のゲームにおいてそのような格差のあった娯楽ではないとも考えられる。であれば、「オールドゲーム」というように「古い」「昔の」といったようなイメージのみが備わった言葉を選ぼうと考えた。タイトルや序文にしかオールドゲームという言葉を使うところが無いと思うが、ここには拘りたいと考えている。
オールドゲームを研究するにあたって、研究対象のゲームのタイトルを明記することにした。ジャンルというものを区分けするには曖昧な境界が生まれると考えているので、このゲームはアクションシューティングと言えるか、といったようなタイトルもこのブログに存在するかもしれないが、そこはご容赦いただきたい。
筆者はゲーム制作の素人であり、ゲームプレイヤーとしてもゲームの知識が少ない。的外れな分析などが存在する可能性もあり、そこもご容赦いただきたく思う。
このブログのコメント欄を議論の場として活用していただいても構わない。相反する意見や新たな視点での分析や、何か思いついたことは何でもコメントで示していただいて構わない。なんでも気軽に書き込んでいただきたく思う。一つのゲーム研究コミュニティーのような存在になれば大変喜ばしく思う。議論が白熱した際は言葉遣いには気を付けて白熱させていただきたい。
アクションシューティングの定義としてレベルデザイン(ステージデザイン)が存在しサイドビューの高低差があるものであったり、360度移動できる見降ろし型のものであったりし、主に人間型のプレイヤーを操作し歩いたり走ったりの移動ができるところ、また同時にシューティング要素として銃などで弾を打てるものとし、ここは意見が分かれるかもしれないが、飛行機などの機体を動かすゲームについては「シューティングゲーム」のジャンルとして分けたいのでアクションシューティングゲームには含まないと考える。要はプレイヤーが足で移動するものであるのは重要なジャンル感を生むと考える。プレイヤーがロボットという機体であっても飛行機とは違ってアクションシューティングとなるのではないかと考える。強制スクロールの有無については例のあるアクションシューティングを思いつかないのでここでは定義することを避けるが、オールドゲームにおいてのアクションシューティングは自由に移動でき、プレイヤーの移動に合わせてスクロールするゲームが大半であろうと考える。ステージのフックとして強制スクロールのステージは存在するであろう。その他にも定義について触れるべき要素は存在するであろうがここでは省略とする。
研究とあるが、筆者のメモ程度に考えてもらいたいと思う。箇条書きであったり、考えたら誰でも分かるような要素も言語化し書かれる場合もあるがご容赦いただきたい。
オールドゲームにおいてのアクションシューティングゲーム研究
メタルスラッグ
プレイヤーについて
プレイヤーのできる基本的行動
このゲームでは左右に移動する、弾を撃つ、敵に近い時にナイフで攻撃する、ジャンプする、爆弾をなげる、しゃがむ、という行動がある。
弾を撃つのに連続してボタンを押す必要があり、結果的にボタンを押す回数が多くなると考えられる。押しっぱなしで弾が出るゲームと比べて、アクションシューティングゲームの面白さの一つにボタンを沢山押せるところがあると筆者は思う。シューティングゲームには押しっぱなしで弾が出るものが多くあるが、それによって敵の弾を避ける事に集中ができると考える。よってこの様な仕様のアクションシューティングゲームは弾を撃つボタンを押す事に意識のいくつかを持っていかれる為、その仕様も全体的な難易度のバランスのとり方に考慮されるべきことに感じる。
プレイヤーの弾の変化
アイテムを取る事でプレイヤーの弾が変化する。初期ではノーマルな印象の弾で特殊な強さは無く威力もノーマルである。ショットガンやロケットランチャーなどの弾に変化する。それらは弾の個数に制限があり無くなると初期状態に戻る。ノーマルから様々な武器に変化する事は新しい刺激をプレイに与えることとなりより複雑で予測不能なゲーム展開により面白いと感じられる。また当時はお金を入れてプレイをするアーケードゲームであったので、お金の消費をより少なくするチャンスでもあったと考えられる。現代の移植作をお金を入れずに遊ぶのと比べてアイテムに対する大きな価値が存在するのではないかと考える。
プレイヤーの弾の打てる方向
初期武器などほとんどの武器 : 前後、上、ジャンプ中に下
ヘビーマシンガン : 初期武器と同じだが、例えば上から右に撃つ方向を変えると斜めに3方向ぐらい順に弾が飛ぶ。
プレイヤーの爆弾
爆弾の威力は強い。戦車などを倒すのがより簡単になる。ボスを倒すのにも役に立つが当てるのがなかなか難しいと感じ、爆弾とはいえボスは簡単には倒せないようになっていると考える。何故ボスに当てにくいか、おそらくボスの動きの不規則さによって予測不能な点とボスの機体への縦方向の距離の長さによって上まで投げても届かないところにあると考える。投げた爆弾の移動速度も速くはなく、敵の動きの先と爆弾の着弾地点の先を計算して予測しないとなかなか当てられない。
爆弾には個数制限があり、時々ステージ上で爆弾のアイテムが手に入る。爆弾で攻略しやすい箇所の前に用意されている場合もあるように感じた。爆弾についてもその個数制限もあり、お金を入れるアーケードゲームであることによって、そのアイテムとしての価値が金銭と結びついているように考えられる。アイテムによってお金の消費を抑えられるというのは、いわば現実世界の道具にある金銭的価値と同等なニュアンスが少しぐらいあったのではないかと筆者は考える。個数制限があることによって現実世界の消耗品と同じニュアンスを出す事に成功している。
特殊装置について
時々配置されている乗れる戦車
時々、戦車が配置されており、乗る事ができる。撃てる弾はヘビーマシンガンとほぼ同じ感覚だが斜めにも入力ができる。おそらく無限に撃つことができる。戦車には体力ゲージがあり、攻撃を食らうと減り体力がなくなると爆発する。爆発する前に特定キーの同時押しで脱出しなければアウトになる。戦車の体力がある状態で脱出すると戦車が突進し爆発して敵にダメージを与えられる。
戦車に乗ってる間は敵の攻撃によって一発アウトにならないので、残りプレイヤー数をキープするのが簡単になる時間と考えられる。安心感が生まれる。
特殊な立ち位置のタレット
タレットが設置されているステージがあり、乗る事で弾を撃つことができる。180度上半分を9方向に撃つことができる。操縦はタレットの操縦をリアルに表現するためか、コントローラーを右に操作するとタレットは左に傾く。操縦する力の方向がコントローラーと一致している形になっている。タレットを操縦したままでいると敵の攻撃に当たることもあるのでジャンプボタンでタレットから脱出しなければならなくなっていてプレイに変化を与えているように感じる。
敵について
敵の弾
プレイヤーの位置に向かって撃たれる弾がある。反対に撃つ目標がプレイヤーではない弾もある。どちらが予測が容易いかどうかは弾のスピードにもよるだろう。弾のスピードは予測可能かどうかに大きく関わると考える。例えばプレイヤーへ向かって放たれる弾とそうでない弾で言えば、プレイヤーに当たる確率はプレイヤーへ向かってくる弾であろうと考える。しかしそのスピードが遅ければ避ける事は簡単になる。実際にこのゲームのボスキャラの弾は速くて難易度が高くなっている。プレイヤーに向かわない弾であってもスピードが速ければ避けるのは難しくなるだろう。プレイヤーへ向かう弾とそうでない弾が入り混じる事でより予測不能で避けるのが困難になることも考えられる。
連続した弾において放たれる時間的な間隔が周期的であればあるほど予測可能であると考える。
アクションシューティングにおいて予測可能さが難易度に関係していると考える。
ボスの機体が放つレーザービームがあるが、瞬時に目的まで到達する弾と言えるので突然出たら誰にもさけられないことになるので、レーザービームが出る直前に機体に予備動作の様なものがあり分かりやすくなっていて、予測可能になっている。
敵のミサイルの弾はプレイヤーの弾を当てると消滅するものもある。敵の弾を消滅させられる要素はシューティングゲームにもよく見られる。
敵の移動
敵には位置が固定されている敵、移動している敵がいる。移動している敵にはパターンが決まった動きだけをするものと、プレイヤーを追いかけるものがある。
様々な仕様について
プレイヤーは右へ進むスクロール
このゲームはプレイヤーが右へ進行するゲームになっている。右に進むと画面上では背景とステージが連動して左へ移動しプレイヤーのキャラクターは右へ進んでる状態になる。
あと戻りできないスクロール
基本的には左へ進んでもスクロールせず、つまりはあと戻りができないゲームになっている。
各所にある場面場面で止まるスクロール
要所要所にある場面や中ボス的な存在が出てくる場所ではスクロールはそれ以上進まなくなり、倒すか時間経過で中ボスが居なくなったりしない限り右へ行けなくなる。そういう場面では後ろに後戻りできるスクロールの仕様になっていて、左右に広い場所で戦えるようになっている。
スクロール開始されるプレイヤーの画面位置
プレイヤーが右に進むと画面が左側へスクロールされるが、このゲームでは画面中央よりやや左まで行った時点でスクロールが開始される。つまりは常にプレイヤーの右側、画面の右側のスペースの方が左側より広く、進行方向から来た敵をより早く把握できる。2Dスクロールアクションゲームには様々なスクロールの仕様があり、FCのメトロイドなどでは画面中央より右側へ行かないとスクロールが開始されず、進行方向のスペースが狭くなっており、より緊張感のあるスクロール仕様と言えるだろう。このゲームでは進行方向は把握しやくなっていてスクロール仕様的に言えば易しい分類に入ると考えられる。しかしながらこのゲームは後ろにいる敵からの攻撃も考えられるので一概にそれがゲームを易しくしているとは考えられず、また画面のやや左とはいえほぼ画面中央に近いと言える。
スムーズなカメラワーク
スクロールというとゲームプログラミング上の実装の目線、実際に画面がどうなっているかでの言葉になるが、考え方を変えればそれはカメラが動いているとも考えられる。例えば、スクロールで画面が左側へ動けば、カメラは逆に右側へ移動しているとも考えられる。このゲームでは工夫された動きによってスムーズなカメラワークを表現していると言える。画面のスクロールが発生する際にいきなり0から1のスピードになるようにスクロールがされるのではなく、やや加速しながらスクロールが発生しているように見える。スクロール開始時に加速してそれによりスムーズにカメラが移動しているように見える。プレイヤーが止まった時もいきなりスクロールが止まるのではなく、ゆっくり減速しながらカメラが止まる仕様になっている。止まる時の方が動き始める時の加速スピードよりややゆっくり減速している。
レベルデザインについて
場面場面に展開される物語や状況
このゲームはグラフィックのデザインやアニメーションが評価されている。しかしながらレベルデザインとグラフィックの融合においても大変に工夫がなされていると見える。レベルデザインの定義としてステージデザインであることは一般的であるが、ここでは一つのステージに存在する全ての要素をレベルデザインと大きくとらえる事とする。ステージ全体を作る事をレベルデザインと考えた時、このゲームはグラフィックとレベルデザインが融合していると考えなければ語る事が難しくなると考える。その理由として、場面場面に物語が存在するからである。その物語の為にステージの高低差による足場が存在している場面もある。そしてそれは時折ゲームの遊びなどのゲーム性ともリンクしているのである。近年の3Dゲームなどではレベルデザインと言えばマップにある地形などを作る事のみであると想像するが、各社やゲームジャンルによってもその定義や解釈や分業の範囲がまばらである事は想像できる。このゲームにおいては大変に各要素、ステージの足場、敵の配置や動き、遊びやゲーム性、グラフィックやアニメーション、背景などの状況、すべてにおいてすべてが密接にリンクして一つの物語を演出しているように感じる。物語が先にあってそれに合わせてステージや遊び、敵の行動などが決定された場面もあるのではないかと想像さえできる。このゲームが作られた時代のゲーム制作の規模、人数であったりゲームのボリューム、機器のスペックなど、総合的な規模が現代のゲームより小さかったからこそできた連携であると考える。この「レベルデザインについて」という項目ではステージの中にある全てのことについて、その流れや状況を研究する。難易度はMEDIUMで行っている。
一番の雑魚キャラである敵キャラの多彩なアニメーションや行動
一般的にアクションゲームと言えば敵のアニメーションや動きは移動時と停止時、攻撃時などゲーム性にかかわる部分にしかなく、一貫して一つのパターンの動きをするように用意されていて、それが同じパターンのままあらゆるステージで再登場などする。その方がパターンをプレイヤーが覚えているので分かりやすいという利点はある。例で言えばスーパーマリオシリーズではそういった敵のパターンが決まった仕様になっているように思う。しかしメタルスラッグではこのゲームの一番の雑魚キャラである敵の兵隊に様々なアニメーションや行動パターンを持たせて、場面場面で物語や状況を表現している。雑魚と言えど様々な行動パターンや数によって難易度の高いものも進んでいくにつれて現れてくる。
ゲーム開始時に登場する主人公とそれを発見した敵兵
このゲームはステージのことをミッションと呼んでおり、ミッション1から始まる。ゲームが開始するとパラシュートで主人公が下りてくる。BGMのイントロが終わり最初のパートの音楽が始まる瞬間に着地してゲームが始まる。着地の瞬間に敵兵が画面の右端に現れ、驚いて画面右の見えない方向に逃げていく。
恐る恐る近づいてくる敵兵
続いて右方向へプレイヤーが進んでいくとすぐに敵兵二人が画面右端から出てくる。一人はジャンプして登場する。恐る恐る近づいてくる。プレイヤーが何もしないでその場にいた場合、敵兵はしばらくすると画面右へ走って逃げていく。走って逃げる際のアニメーションも2通りある。プレイヤーが敵兵に近づいてしまうと敵兵にナイフで切られる。
初登場する高低差は木箱と岩
敵が逃げた方向へ進むと初めての高低差として登場する木箱と岩が存在する。手前の木箱の方が低く、岩の左に配置されていている。木箱には上ることもできるし弾で壊すと中から弾が変わるアイテムが出てくる。何やら右方向へ逃げた敵が岩に身を隠すようなアニメーションかつ岩の向こう側にいる敵兵にプレイヤーの存在を知らせているようなアニメーションになりその状態のままになり無抵抗になる。
岩の上から歩いて降りてくる敵兵
初登場した高低差である岩の上から敵兵が一人おそるおそるなアニメーションで歩いて近づいて木箱の方におり地面へと降りてくる。おそるおそるであるが攻撃的で、近づいてきてナイフで切りつけたあとに爆弾を投げてくる。投げた後走って右方向へ逃げ岩に張り付いて無抵抗となる。
敵を倒すとさらに敵が多く出てくる
ここまでの状況の説明では弾を撃っていないことが前提となっているが、最初に出てきた敵から二人の敵を次々と弾で倒して行くと敵二人がさらに出てきて、岩の上からも別の敵兵がジャンプして出てくる。これは恐らく初めてプレイしたような人と慣れて敵を倒すのが上手いプレイヤーにとって別の状況を作り出し、初心者には優しく、慣れたプレイヤーには歯ごたえのある演出になっていると考えられる。言わばプレイヤーの腕前によって難易度が流動的に変化しているともいえる。
豚の左右に立って会話してる二人の敵兵
豚のグラフィックの左右に敵兵が会話してるようなアニメーションで立っている。プレイヤーが近づくと左の敵兵から右方向へ走って逃げていく、右の敵兵は驚いたアニメーションになり走って逃げていく。逃げた先を追っていくと永久に右方向へ逃げて行き、時折アニメーションが両手を挙げて怯えながら逃げるようになったりしつつ、先にある中ボス的なヘリコプターの出てくるところで右の画面外へ消える。豚のグラフィックはアイテムになっていて、取るとスコアが入る。
ゲームデザインについて
ゲームの目的とは何か、ゲームには何が必要か
ゲームの目的とは何かと考えると大きな問題過ぎて定義する人によってさまざまな意見があるだろう。しかしながらビデオゲームというものは多くの場合すべてのステージや進行を完了しクリアする事が最大の目的となるだろう。しかしMMORPGやシムシティなどはメインクエストをクリアしてもその後も遊ぶことができたり、マインクラフトのようにそもそも目的が何もない砂場で遊ぶようなゲームも存在し、最終目的が人の受け止め方によってははっきりしないゲームも存在する。このゲームは最後まで行って最後の敵を倒せばクリアとなる。
クリアする事が目的であった場合、例えば歩くだけで最後まで行けてしまいアクションシューティングなのに弾を撃たなくてもクリアできてしまうゲームであればどうか。それは単純でありボタンを押す回数も少なく、頭を使う場面や運動神経を発揮できる場面もないつまらない物となるだろう。あるいみ予想外でありその点では一発芸としての価値はあるかもしれないが、クリアは一つの最終目的であり、そこまでの過程に何もなければ意味がないと言えるだろう。ゲームは目的だけでは成り立ちにくい。
このゲームを試しに弾を撃たずにどこまで行けるか試してみたが、中ボス的存在のヘリコプターまでしか行けないと思いきや、ずっと攻撃を避けているとヘリコプターは逃げて先に進めるようになる。敵の弾を避けている時点でそれは目的の間に障害があり、ある意味ゲームとしては成り立っていると言える。ヘリコプターは逃げて進めるようになるが、その先に進むと建物で道がふさがっていてその建物を壊さない限り先に進めないようになっている。その先に進んでもステージの最後のボスを倒さない限りゲームは進行しない。攻撃をずっと避けているとタイムオーバーのカウントが0になりアウトとなる。つまり少なくともこのゲームは弾を撃たないとクリアできない。ゆえにこのゲームはアクションシューティングであることは間違いないだろう。そして歩いただけでクリアできるゲームでもないことが分かる。
ゲームの最終目的があったとしてもゲームを遊ぶ意味を考えると、ゲームの開始から終了までの間に何かが必要となる。そう考えるとゲームの細部まですべてがゲームには必要不可欠なものであると解釈することができるのではないだろうか。
このゲームデザインについてという項目では何がゲームを面白くしているかというこの研究の最大のテーマについて例をあげながら記していく予定だ。
グラフィックについて
爆発アニメーション
爆弾の爆発のグラフィックが印象的であり、アニメーションのコマ数も多くスムーズで精細な表現になっている。一番多く目にする爆発がプレイヤーが放つ爆弾であるはずである。他にも爆発するものによって爆発のグラフィックアニメーションは別のものになっている。
日本のオールドゲーム特有の色合い
色合いについては日本のオールドゲーム特有のものとなっていると考える。近年見られるインディーゲームや海外のオールドゲーム、一部の日本のオールドゲームにも存在するとは思うが、それらのドット絵の色合いとは違うものであると見える。これはメタルスラッグに限らず、日本で開発されたオールドゲームには共通した色合いの表現の仕方があるように思える。比較としてインディーゲームでよくみられるパステルカラーの様な色は存在しない。明度も暗いように感じられるが、色がより原色的で鮮やかであるようにも感じられる。
敵の弾の視認性
敵の弾と爆弾は青とオレンジの色を交互に点滅させるようにして、当たってはいけないものである事を分かりやすく表示しプレイヤーが視覚的にも認識しやすくなっているように感じる。中ボス的立ち位置の敵のヘリコプターなどからでる爆弾は例外で普通のグラフィックになっている。他にも例外があり、青とオレンジではなく単色で点滅していたり、点滅すらない敵の攻撃オブジェクトもある。点滅すらない場合はアニメーションなどの状況から敵の攻撃オブジェクトであり、当たってはいけないことは何となく誰でも分かるようになってはいるのではないかと感じる。ミッション1の最後にいるボスの出す弾などでも当たってはいけないのが初見でも分かるためか、詳細なグラフィックではなく簡素な単色で塗ったグラフィックなものになっている。
爆発のまぶしさの演出
爆発のエフェクトに白いコマを一瞬表示している場合がある。
敵キャラへの攻撃が当たっているかの認識のしやすさ
ボスキャラに攻撃が当たると赤系の色で点滅し攻撃が当たっている事が分かりやすくなっている。
細やかなエフェクト
プレイヤーの弾が壁や敵に当たった時にエフェクトが出る。
破壊したくなる欲求を満たすグラフィック変化
随所にプレイヤーの弾によってダメージを入れると壊れる建物やオブジェクトがあり、爽快感を生んでいるように思う。ボス戦の機体なども倒したあとに壊れたグラフィックへと変わる。敵戦車なども破壊すると破壊されたグラフィックのアニメーションやエフェクトになったりし、常にこのゲームは破壊したい欲求を満たしてくれていると言っても過言ではないのではないかと感じる。
爆弾が無いのに投げる動作になるコミカルさ
爆弾の所持数が無くても爆弾を投げるボタンを押すとプレイヤーのアニメーションは爆弾を投げる動作をするが爆弾はないので爆弾は出ないところがコミカルに感じる。
武器の弾薬がなくなると
武器の弾薬がなくなったらその武器がプレイヤー付近から飛んで捨てられたようなアニメーションになってから消滅する。
残虐的な表現
敵を倒したりプレイヤーがナイフで切られたりすると血が噴き出る。ナイフで敵を攻撃すると木っ端みじんになる。炎で攻撃すると敵が燃えるアニメーションになる。
サウンドについて
意外と無い効果音
ジャンプ音が無い
リアルな音声の効果音
プレイヤーがやられた時に実際の人の声を録音したようなサウンドが再生される。
タイムオーバーのカウント
残り10カウントになると効果音がある状態でカウントダウンされていく
BGMについて
緊張感を与える音楽の中にあるバラエティ豊かな音楽性
勇猛で戦闘的な音楽で緊張感を常に与えていながらも、フックとして音楽的にジャズや民族音楽のようなあらゆるジャンル感のある音楽が挟まり、このゲームのコミカルさをより演出しているのではないかと考える。